熊本の医者で竹熊宜孝先生という方がいらっしゃいます。

竹熊先生は農の誤りが食を乱し、病気の原因であるとおっしゃっています。農薬や化学肥料、トラクターなどを使い大量生産されて工業化されていく農業に疑問をもち、先生は医者でありながら自ら有機栽培の農業を始め、患者さんに食の大切さを説いていらっしゃいます。

以下、竹熊先生のホームページからの抜粋です。

 

「今、医療過誤、医療費高騰、医師不足がマスコミの話題だが、食と農はもっと深いところで人類のいのちを脅かしている。BSEや鳥インフルエンザは人類を脅かす切実な問題として、政治経済の重要課題となっているが、よくよく考えてみると、食や農を命と考えず、経済問題として、学問が引っ張り、効率化を最優先した結果ではないのか。まだそれに気付かず大騒ぎをしている。

 自然の動物は、土と水を命として生きている。人間は、金と石油、そして原子力に手をつけ、戦争までする。それが、ゴア氏のいう不都合な真実である。

その視点に立って食育をやらなければ、食育もお祭り騒ぎになって、不都合な真実に向かうであろう。土にこだわってきたのは、土は命を生み出す基である。字をよく見てもらいたい。「土」に芽がなかったら「工」である。その工業化のツケが人間にまわっている。食育でなく、食農教育を。あえて言うなら、三つ子の魂百までと言うが、三歳からの幼児教育に土からの食農教育をしてもらいたい。朝食をしっかり摂りましょうもいい。弁当の日もいい。地産地消も大賛成。身土不二は当然だ。しかし、日本人が土から離れた時に、「不都合な真実」は現実となろう。

 

 

同様のことをマクロビオティックの久司道夫先生もその著書「マクロビオティックをやさしくはじめる」などでおっしゃっています。

 

20世紀までは米国でも小麦やとうもろこしなどの穀物が食の中心だった。しかし、今から100年ほど前に逆転し、穀類、野菜、豆などの摂取量が減り、肉類や乳製品、卵、砂糖の消費量が急増していった。

同時に農薬や化学肥料を使った大量生産方式が進んだ。更に、穀類がことごとく精白された結果、ビタミンやミネラル類の摂取量が激減してしまった。有害な人工物が体内に摂取されはじめるにしたがって、アメリカでは病気や犯罪が増え、離婚や家庭内暴力などもどんどん増えていった。

「より安く、より多く」を利潤獲得の動機とする資本主義の生産様式が技術革新を促し、それが食の分野に波及し、人間の食生活が様変わりし、味覚まで大きく変わっていった。

 

これは進化ではなく、人間の心と身体の退化だ。食べ物の秩序の崩壊が、人間から愛や道徳などの精神性を磨滅させ、ついには動物、それも不完全な狂った獣の段階へと退行させてしまった。」

 

---------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

コンビニやファーストフードで作られるお弁当や食べ物は、オートメーション化した工場で防腐剤や酸化防止剤などを使い、機械的に大量生産された「商品」です。私たちの生命を育む、エネルギーある「食べ物」とは程遠いと言えます。特に日本は世界で一番添加物が多いと言われています。農薬や添加物などの化学物質は血液の処理をする肝臓や腎臓の機能を低下させます。動物性たんぱく質の肉、卵、乳製品や砂糖、油で調理した食事を休む暇なく食べている現状では肝臓も腎臓も休む暇はありません。がんを始め、アトピー性皮膚炎や糖尿病などが増えているのはそのいい証です。ほとんどの病気は高たんぱくの取りすぎと食べ過ぎにより肝臓と腎臓が血液を処理しきれなくなったため、それが皮膚や臓器に現れたものです。

 

私たち消費者がもっと生命の大切さに目覚め、自分の食「欲」を満たすための食事から、自分の健康や地球環境のことを考慮した食事に切り替えていく必要があります。 私たちの生命を育む食べ物はやはり、農家さんが一生懸命作ってくれた野菜などで作られた手作りの食べ物です。